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届きそうで届かない
“切ない曲”というテーマのプレイリストを……と伺い、「大好物です!」と二つ返事でお受けしてしまいました。他の方のセレクトには敢えて目を通さず、独りよがりな選曲に徹してみました。まず1曲目は、珠玉の未発表音源がたっぷり収録された「THE COMPLETE... -
あの味を肴にするならば
もう二度と味わえないけれど、良くも悪くも忘れられない子どもの頃のあの味。みなさんもあるだろうか。 家族曰く、わたしは子どもの頃から本当に食い意地が張っていたらしい。それもあってか、思い出せる幼少期のエピソードと言えば食べもの絡みの話ばか... -
喪失から始まる物語
レイ・ブラッドベリが好きだ。「華氏451度」「火星年代記」で著名な米国のSF作家で、私のフェイバリットはなんといっても「万華鏡」。わずか16ページの短編小説だが、初読からそれなりの時間を経た今でも心の片隅を占めており、折に触れて読み返している... -
Now and Here
蝉が大合唱する8月の灼熱の暑さの中、この文章を書いている。もうすぐお盆。特に2025年は大好きなアーティストの訃報がSNSに流れることが多いように感じている。そのたびに追悼の言葉を心の中で唱え、そっとターンテーブルのスタートボタンを押す。いつ... -
長く続いた季節がやがて終わりを迎えるとき
今年の6月はほとんど雨が降らなかった。暖かい春から爽やかな風が吹く初夏へと切り替わるもっとも快適な時期は一瞬で過ぎ去ってしまった。夏が来るのがどんどん早くなり、昔と比べると暑さのピークが長く続いている。去年はなかなか秋が訪れないまま急に... -
旅愁(帰路の車窓から見るカラスについて)
私の好きな「切なさ」は、旅愁や郷愁など、旅先で感じるものである。 中でも、旅先から帰る夕方、特急列車の窓から外を眺める時に感じる切なさが好きだ。楽しかった旅先から帰る寂しさに、日が暮れるのに従ってだんだん見えなくなる景色も重なって、旅... -
曖昧にしたいことばかり
撮影 前康輔 人の身体というのは不思議なもので、気温の上昇や運動によって体温が上がると、汗という液体で身体の表面を濡らし、気化熱を利用して体温を下げようとする。体内の水分が足りなくなれば、喉の渇きを感じさせるし、そもそも意識せずとも心臓... -
大人になった私と、「切ない」という気持ち
かつての私にとって、「切ない」という気持ちは主に色恋沙汰から生まれる感情だったように思う。恋愛で悩んでは、aikoや大塚愛ら平成を代表する女性シンガーソングライターのバラードを繰り返し聴いて涙を流したし、同じく悩める女友達と一緒にカラオケ... -
切ないことについて語るときに私が語ること
最近、有難いことに、DJをさせていただく機会が増えた。曲の縛りがあったり、オールジャンルだったり、そのイベント毎に、テーマやカラーがある。とはいえ、DJというものは一人でステージに立ち、誰かに曲を決められるのではなく、煮るなり焼くなり、自分... -
最近、マジで泣いてない
だいぶ大人になってしまい、仕事で泣きごとは言っても、日常生活で切なく泣けることはなくなってきています。そんな中、お店のBGMやラジオからふと流れてきた曲から、「セツナイ」感情が呼び覚まされる経験はないでしょうか?例えば、Belle And Sebastia... -
音楽と私の切ないエピソード
あれは確か10年以上前のこと。当時子育て真っ最中だった私は、日曜夕方のNHK Eテレで放送している「ニャンちゅうワールド放送局」という番組を子供達と一緒に観ていた。ネズミが好きすぎるあまりネズミの着ぐるみを被るニャンちゅうというキャラクターが... -
私の心揺さぶられた体験
あれは確か15、16歳の頃、『夜のヒットスタジオDELUXE』でスザンヌ・ヴェガを見た。小学生から中学生まで野球やプロレスに夢中だった私は、年齢を重ねるにつれていつの間にか音楽を熱心に聴くようになっていた。学校もつまらない、家でも家族にムカつく...
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