40年を超える歴史を有する、ビデオゲームの音楽。テクノからポップス、ヒップホップから前衛音楽まで、あらゆる音楽ジャンルを内包する広大な世界です。
『ゲーム音楽はそもそも音楽ジャンルではなく、共通項など存在し得ない』
そのような見解の一方で、ゲーム音楽の多くに通底する感覚としての、ある種の「切なさ」「儚さ」がある、という意見があります。
それはゲームの描く物語を思い出させるためなのか。限られた世界のための音楽という、何らかの境界線を感じさせるためか。
私は「切なさ」というものを、「刹那」に通じるものと考えています。いつか終わってしまうことが分かっている、それでも今ここにある大切な時間のための音楽。それが私の感じる「切なさ」の、精一杯の言語化です。
今回は、そのような切なさを感じる良質のポップスを、2010年代以降のゲーム作品から選曲しました。
ここでは収録ゲームの知識は不要です。英国/イタリア/スペイン/カナダ/米国/台湾/日本の作家による、それぞれの切なさの共演をお楽しみください。
プレイリスト(Spotify)
文・セレクター: 市村 圭(音ゲーライター/miobell records)